濃いチーズ集

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納豆のような、くさやのような臭いにおいに敏感な人は鼻をそむけたくなるような異臭を放つチーズ。
でも好きになるとこれほど美味しいチーズはありません。
この種類は一般的にウォッシュタイプに分類されているもので、誕生したのは修道院の中だったのです。
チーズの周りを塩水や酒で洗い流しながら熟成させる作り方は、科学の知識を持つ修道院の修道士が編み出した手法だといわれています。

修道院はローマ帝国の衰退と相反するように発展していきました。
ローマ帝国全盛期のチーズと言えばフレッシュチーズか、保存のできる硬質タイプ、青かびでした。
しかし力をもった修道院たちが作ったのは柔らかくクリーミーで香り豊かでした。
それは白カビやウォッシュタイプに当たるものです。
考えた人はすごい。

マンステール

ウォッシュタイプチーズの最古はアルザス産のマンステールというチーズです。 このチーズの起源は668年。
牛を飼育するためにイタリヤからやってきたペネディクト派の修道士が修道院を立てて、ヴォージュ山地を切り開き牧畜を初めて作ったのがこれだと言い伝えられています。
マンステールという名前は小修道院モスナールを中心としてできた村の名前です。

マロワール

フランスの北部のノールの町名に由来するマロワールは強大なペネディクト修道院の修道士によって960年ごろに作られたといわれています。この地方では今もなお塩水で洗うチーズしか存在しないです。
例えばプレット・ダーウェヌ、ロロ、ドーファンなのです。
北西部のノルマンディー地方はリヴァロ、ポン・レヴェックというウォッシュチーズも忘れてはなりません。
これはもともと北西端のブルターニュ地方に昔から住んでいたケルト人修道士たちとの交流から生まれたチーズだといわれていますが、製法はマロワールです。

エポワス

ウォッシュタイプの中で最高級の評価を得ているのがエポワスです。
エポワスのおいしさの秘密は、マールというブドウの搾りかすで洗うから。
塩水にマールを濃度をあげながら混ぜていき、仕上げは100%のマールで磨く。
このチーズはシトー派の修道士によって作られたといわれます。
長らく勢力をもっていたペネディクト派の修道院も次第に世俗的政治活動をする領主へと変貌し、この混乱の中から再興の運動がおこり、ディジョンの南のシトーに建てられた修道院がシトー派修道会。
このシトー派修道士たちはワインづくりも有名で、クロ・ド・ヴォージョというワインを生み出した。
あくまでも布教のための資金作りだったというから驚きです。

誰が臭いにおいのチーズを考えた?

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